(R^2上での)外測度

Sを平面の有界な集合とする、Sを覆う可算個の小矩形I_{1}, \dots, I_{n}, \dots を、いろいろに取ったとき、
\Sigma^{\infty }_{n=1}|I_{n}|
下限をSのルベーグ外測度、又は単に外測度といい、m*(S)で表す。
即ち、
m^{*}(S) = inf\Sigma^{\infty }_{n=1}|I_{n}|
である。
ここで、|Im|はジョルダンの意味でのImの面積である。
又、下限はS\sub \cup^{\infty }_{n=1}I_{n}を満たす小矩形列\{ I_{1}, \dots ,I_{n}, \dots , \} のすべてをわたる。
(注1)Sの集合の取り方だが、R2の半開区間とする。
つまり、a,b,c,d∈R として、[a,b)×[c,d)を考える。
(注2)m*(S)を定義するためには、実際はSを覆う共通のない小矩形の系列を考えれば十分である。

記事「ジョルダン測度」参照。

以下、基本性質


(1) 0≤m*(S)<∞;m*(φ)=0
(2) S⊂T ⇒ m*(S)≤m*(T)
(3) S1,S2,…,Sl,…を有界な集合列とする。
  和集合\cup^{\infty }_{l=1}S_{l}も又、有界ならば
m^{*}(\cup^{\infty }_{l=1}S_{l})\le \Sigma^{\infty}_{l=1}m^{*}(S_{l})


(1)はつまり、外測度は零以上且つ有限ということ。
特に、空集合については外測度は零ということ。
(2)は含まれる(つまり大きい)集合のほうが外測度はでかいということ。
(3)は和集合の外測度より、外測度の和のほうが大きいということ。(可算無限に注意)

又、任意の矩形Iに対して
m^{*}(I)=|I|がいえる。

因みに参考図書は前回に続き
ルベーグ積分30講 (数学30講シリーズ)